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「という感じ」
細かい感情は抜きにして、淡々と説明したが。
「なにそれ。えー、なにそれ」
あーもう、と玲は頭を抱え
「ちゅん、早く告白してしまいなさい!」
ガシっと私の方を掴み大きな目で見つめてくる。
「勘弁、もう十分だって」
「なんでよ! あのね、そういうデート、あいつは誰にでもするやつじゃないのよ?」
ちゅんだってわかってるでしょ?と続ける。
「うん、まあ、そうかもしれないけど」
「けど何よ。いつもなら好きになったらサクッと告白するじゃない。どうしてのぶには躊躇するのよ」
「まあまあ、玲ちゃんそのくらいに」
駿が落ち着いた声のまま制止する。あまりに必死な剣幕のあまり、店内では少し目立ってしまっていた。
「ごめん。でも、ちゅんには良い恋愛してほしいの」
「うん、わかってる。あのさ玲、」
「なに?」
言うべきか、言わないべきか。
「紗月ちゃん、」
駿の声が降ってきた。
「携帯、光ってるよ」
「え、あっ、電話だ」
自習室にいたからサイレントにしていたのだ。ありがとう、ちょっとごめんと言って席を立つ。
「もしもし」
『ああ、ちゅん。今いいか?』
タイミングがいいのは、いつもけいとだ。
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