すすむということ

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 「なあ、そういえばどうだった」  「え、なにが」  テンポよく返事が聞こえる。ちゅんはのんびり屋だけど、会話のテンポを人に合わせるのは上手いと思う。  「デート」  風呂あがりでちゅんを直視できない。ので、アパートの近くの自販機で買ってきた缶の炭酸飲料を飲む。制服じゃないだけで特別なのに、俺は耐えられるのだろうか。  「まあまあかな」  舌の上で転がした泡がピリピリと胸まで刺激する。のぶのわりにはちゃんとしてたよ、と作り笑いで続けるちゅん。  「なんか進展あったんだな?」  キスでもしたか、と言うとほっぺたをつままれた。  「チャラいけいととは違うんです~」  「いてーよ」  今度は頬からじわじわと痛みがひいていく。  「あ、でも、」
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