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中学生のとき、同級生の女子からは散々嫌みを言われた。この二人とは少し気が合って、楽だからいるだけなのに、助けてくれたのは玲だけだった。
けいとが言う「色々あったな」にこれは含まれていないんだろうな、潰れた紙パックをいじりながら考える。
「クラス会とか開くの?」
私がのぶに尋ねる。
「あー、考えてなかったわ。やる?」
コポッと音を立ててコーヒーが促す。
「でもなんかうちのクラス微妙じゃね、ばらばらだし」
けいとがこたえる。
「だなあ」
ま、やりたいやつだけでやるか! とのぶは結論付けた。
「おーいのぶ、校庭あいたぞー!」
遠くから隣のクラスの男子が叫ぶ。
「おーう」
少し太い声で答えたのぶは「じゃなっ」短い挨拶をして校庭に走っていった。
「おいのぶ、」
目だけを動かして、けいとが声をかける。
「背中、汚れてるぞ」
自分の背をのぞいて、のぶはへへっと笑っていた。
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