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まず先生の待つ相手。
いや、正確には先生を待っている相手か。
その人は、この校舎と一般校舎の間に存在する第二警備室に居る。
ちなみに警備室は全部で五ヶ所あるんだけれど――それは今は関係無い。
そこで警備を担当している人が、先生の恋人だ。
いつも、俺に鍵を預けたけれど、やっぱり俺が心配だから帰るまで見届ける。
そんな理由を付けて警備室に居座っているらしい。
偶然、先生が警備室に居るのを見かけ、
その次の機会にこっそり先生の後を追い、盗み聞きしてみた結果に知った事だ。
毎回その理由で居るのだから、無理にとってつけた事なのはどちらも知っているんだろう。
多分、誰かに聞かれた時のための言い訳のようなものだ。
そして警備室の奥の休憩室で事に及ぶ……と。
疑いを持って聞き耳でも立てない限りばれないだろうから、きっと俺以外には知られていないだろう。
ちょっと羨ましいなと思いつつも、俺も似たような物かと、聞こえてきた足音に口元を緩めた。
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