case3.庶務

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カンカンカン、と急くような軽い足音が窓から聞こえてくる。 その外階段を上る音が止んだかと思えば、次はドアを開ける音。 廊下を歩く足音が聞こえて、ようやく生徒会室のドアが開く。 そうして、待ちかねた声が聞こえる。 「先輩!」 飛び込むようにやって来た彼は、一年の俺を先輩と呼ぶ。 つまりは、中等部の生徒であるという事だ。 「いらっしゃい、灰谷」 中等部の三年生にして、生徒会会長である彼は灰谷(はいたに)と言う。 彼が、俺が生徒会で庶務をしている理由そのものだ。
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