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「家の匂いとかあるじゃないですか」
……まあ、確かに。
友達の家に行くと、自分の家とは違う匂いを感じるとは思う。
けれど、そんな風に生徒会室も匂ってるか?
香水っぽさとかは特に感じない気がするけれど……。
自由な腕を持ち上げ、肘のあたりの匂いを嗅いでみる。
……よくは解らないけど、じっくり嗅げば、
確かにフローラルな匂いがしなくもないような……?
でも自分の使っている石鹸類や整髪料とか、
布用消臭剤の匂いが混じった結果の匂いかもしれない。
「……する?」
「します!」
きっぱりと言い切られてしまう。
「そんな気にする程のものかな?」
うん、やっぱりよく解らない。
もう1度嗅いでみても本当に微かなものだから、そう尋ねる。
すると俺の体から顔を離し、上目使いでジトッと睨み付け、こう言った。
「するんです!
俺以外の男の匂いをさせないでください!」
真剣そのものな表情でのそのセリフとこの状況に、
つい俺は…………
噴出した。
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