case3.庶務

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「ミツル、俺は本当、真面目に言ってるんです」 「……はい、それは解っています。すみません」 再び、先輩からの呼び捨て。 思わず俺の笑いも止まる。 「真剣に、他の奴の匂いがついてるのは嫌だと言っているんです」 「はい」 「だから俺の匂いをつけてもいいですね?」 「はい」 なんだろう、この会話。 そして思わず肯いてしまった俺。 ああ、本当、マズイな。 腕を引っ張って立ち上がらされ、 そのまま無駄に素晴らしい大きさを誇るソファーへと抱きしめられながら沈みこんでいく。 柔らかいこのソファーには、よく会計が座ってくつろいでいる。 そんな所で、ダメだ。 そう思いつつも抵抗ができない。 本当、可愛い。 変な嫉妬も行動も。 だから動けないだなんて、俺は自分で思っている以上に彼に惚れているみたいだ。 ……願わくは、生徒会のメンバーに灰谷ほど鼻の利く人がいませんように。
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