case4.書記

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「はいはーい、風紀ですよー」 「お前ら散れ!それか黙れ!」 そう言いながらやってきた、謎の会話をしていた――風紀委員だったらしい2人。 ヒートアップして掴みかかってきそうな周りから俺たちを引き離すと、 いつの間にか現れていた数人の風紀委員らしき人たちに騒ぎ+会長を任せ、どこかへと誘導する。 「ちょっと風紀委員室で話聞かせてくださいね」 穏やかな笑みを浮かべた方の委員がそう言った。 もう1人は背が高く、興味深そうに拓斗を見下ろしていた。 「いや、さっぱり解んねえな」 何でアイツらが惚れるんだか。と、 観察の結果、そんな風に首を傾げる。 それから携帯を取り出し、どこかへ連絡を取っていた。 そうこうしている内に風紀委員室に到着した。 この辺りはとても静かで、さっきまでの喧騒と同じ学校だとは信じられない。 「おい、連れてきたぞ」 「ああ、お疲れ」 部屋の中で待っていた人は……あ、この人は知っている。風紀委員長だ。 委員長は俺たちに座るよう勧め、 彼の向かい側のソファーへ座ると、さっきの背の高い委員は、委員長の隣へと腰かけた。 2人の距離は妙に近い。 そして軽く自己紹介。 背の高い人は副委員長だった。 もう1人の委員は川添(かわぞえ)と言うらしい。 彼が淹れてくれた紅茶を飲んで一息つくと、さて本題だが、と委員長が切り出した。 「生徒会の奴らがことごとく落とされてるらしいが、お前が何かしてる訳ではないんだよな?」 ……どうやら拓斗に惚れているのは会長だけではなかったらしい。 入ったばかりの、1年の書記を除いて、 会長・副会長・会計 さらには生徒会顧問の4人が彼を好いているそうだ。 生徒会内だけでもそれだけ好かれているらしい。 いつも一緒にいるのに、出会った事すら知らなかった。 と、俺は密かに驚いたのだが、それも無理はない。 どうやら一目惚れをされたらしいので。
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