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「確かに、俺は拓斗が、好き、だ」
「はいはいはい!来ました!いただきました!
で?次は?告白を断っちゃった理由は?何々?なんなの?お家事情とか?ロミジュリ来ちゃうとか?!
それとも実は血縁者だったとか?!禁断?何が来るんですかね?!」
一気にまくしたてられ、圧倒される。
けど、それらよりはきっと打ち明けやすい理由だろう。だからゆっくりでも話すことが出来る。
「…………だって、」
「はい!」
「俺が拓斗を、好きなの、は、」
「はいはい!」
「それは、拓斗が、あの、特異体質、だから、で。
だから、ホントは、好き、ではない。から、それだ、と、逆に、拓斗に、申し訳な、」
「いやいやいや!ちょ、待てよ!」
唐突に遮られ、思わず彼を見つめてしまう。
穏やかな顔はどこへやら、ちょっと怖い表情でテーブルに手をついている。
「あのさ、さっき話ちゃんと聞いてましたよね?タチ専用って」
「え、あ、はい……だ、だから、俺が、拓斗を、好き、なの、は嘘で」
「そこ!そこなんですけど!あなたはタチなんです?え?嘘でしょ?」
信じられないと言った風に彼は俺を見て問いただす。
「え?え、だって、拓斗、を、見たら、男は惚れる、よう、な……」
そんな体質では無いのだろうか。
「はいはい、来ましたね!勘違いによるすれ違い!よくあるパターンですねー」
またもや穏やかな、しかし嬉しそうな笑みに戻り、再び手を組んでいた。
「とりあえず一番重要な事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「は、はい」
有無を言わせず、と言った笑みで問われた。
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