case4.書記

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「確かに、俺は拓斗が、好き、だ」 「はいはいはい!来ました!いただきました! で?次は?告白を断っちゃった理由は?何々?なんなの?お家事情とか?ロミジュリ来ちゃうとか?! それとも実は血縁者だったとか?!禁断?何が来るんですかね?!」 一気にまくしたてられ、圧倒される。 けど、それらよりはきっと打ち明けやすい理由だろう。だからゆっくりでも話すことが出来る。 「…………だって、」 「はい!」 「俺が拓斗を、好きなの、は、」 「はいはい!」 「それは、拓斗が、あの、特異体質、だから、で。 だから、ホントは、好き、ではない。から、それだ、と、逆に、拓斗に、申し訳な、」 「いやいやいや!ちょ、待てよ!」 唐突に遮られ、思わず彼を見つめてしまう。 穏やかな顔はどこへやら、ちょっと怖い表情でテーブルに手をついている。 「あのさ、さっき話ちゃんと聞いてましたよね?タチ専用って」 「え、あ、はい……だ、だから、俺が、拓斗を、好き、なの、は嘘で」 「そこ!そこなんですけど!あなたはタチなんです?え?嘘でしょ?」 信じられないと言った風に彼は俺を見て問いただす。 「え?え、だって、拓斗、を、見たら、男は惚れる、よう、な……」 そんな体質では無いのだろうか。 「はいはい、来ましたね!勘違いによるすれ違い!よくあるパターンですねー」 またもや穏やかな、しかし嬉しそうな笑みに戻り、再び手を組んでいた。 「とりあえず一番重要な事をお聞きしてもよろしいでしょうか?」 「は、はい」 有無を言わせず、と言った笑みで問われた。
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