8人が本棚に入れています
本棚に追加
「姉ちゃん、また携帯いじってるの?」
あたしの5つ上のお姉ちゃんは、美人だ。色白で目がぱっちりしてて、鼻筋が通ってて、細くて、実はちょっと貧乳。
性格もおっとりしてて優しくて気さくで頭もいい。
12歳のあたしが言うのもなんだけど、なかなかの逸材だ。
ただ、完壁な人間なんてどこにもいないもので、姉ちゃんには一つ決定的にいやなとこがあった。
「えー、休みの日ぐらい良いじゃんかー。」
「って言って毎日何時間も触ってるよ!高校生なのに勉強とかしなくていいの?」
「母さんと同じこと言わないでよ、まるで回し者みたい。」
姉ちゃんはだらけ魔だった。
高校二年生の姉ちゃんは、帰宅部で、17時過ぎぐらいに帰ってくると、速攻でスウェット上下に着替える。
それからリビングのテレビの前を、ブランケットにくるまりながら陣取って、携帯を充電器につないだままスナックをつまみつつひたすら彼氏や友達とメールしてる。自分の部屋でやればいいのに、リビングの方が暖かいからってわざわざここにやってくる。それからずっとテレビの前で携帯といちゃいちゃしてるんだ。飽きたらあたしのジャンプを読んだり、あたしの分のスナックまで食べたり、爆睡したり、好き放題だ。
最初のコメントを投稿しよう!