強欲

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「なにせプログラムに1時間ぐらいしかかけてないもんだから、微妙なラインのは出来ちまったりするんだ。じーさんがキャバクラに一回行くごとに身長が1ミリ縮むとかさ。」 「そんなじーさんいないでしょー。」 「かはっ、ちがいない。」 カトリは豪快に笑った。 だけど、あたしはそのじーさんのたとえを聞いて、すごいことを思いついてしまった。 「ねぇ、カトリ、これはどのぐらい効果が持続するの?」 「ん、ああ、操作主の気が済むまでだ。」 確かにあたしがサイダーを飲んでももう梯子はぴくりともしなかった。 「ねぇ、これあたしに1日貸してくれない?」 「ああ、構わんが、あんまわけのわからんことするんじゃないぞ。」 「解ってる!」 あたしは今、とんでもない顔をしてるんじゃないかと思う。 「ただいまぁ。」 「遅かったのね。もう16時まわってるよ、ユキの好きなアニメ始まるんじゃない?」 もう16時をまわっていても、姉ちゃんはまだだらだらしていた。 「あー!またあたしのうすしおポテチを!」 「あ、ごめんごめん、つい…。」 「ついじゃないよ、もー!」 「まぁまぁ、同じ奴3つ買ってあげるからさー」 「1つで良いったら!!」 そんな姉ちゃんの過失は、あたしのトンデモな企みに拍車をかけるに十分だった。 女の子にとって一番やなことだけど、姉ちゃんのためを思ってやることだから、許してね……! あたしは姉ちゃんに見えないように、そっとリモコンのボタンを押した。
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