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「……ん」
小鳥のさえずりが聞こえる。
あぁ。
今は朝なのか。
妙な夢をみたせいか、朝の感覚がなかったぜ。
ん?
何か体か重い。
……って、俺のお腹の上にあの女性が被さるように眠っているじゃないか。
もしかしてずっと一緒にいてくれてたのか?
「おはよう。
目が覚めてたのね」
俺が彼女を見ていると、彼女はゆっくりと目を開けた。
「おはよう」
寝起きの顔が可愛く思わず見とれてしまう。
くそ。
何でこんな可愛い子の事を俺は何で思い出せないんだ。
「いいお天気だね」
病室のブラインドを少し開け、彼女は外をみた。
どうもさっきの夢が引っ掛かるんだよな。
「あのさ……」
外を見る女性に俺は話し掛ける。
「何?」
彼女は振り返る。
彼女が振り返ると同時に甘い香りがした。
「君の名前……教えてほしい」
あの夢の通りだったら……。
確かめなくては……。
「心。
浅野 心だよ」
彼女は優しく笑って答えた。
……マジかよ。
「俺の名前は?」
あの夢が本当になりそうな気がする。
俺の胸は妙に高鳴っている。
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