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復讐を誓い、ジークは我知らず拳を握っていた。
コマンダンテは静かに話し始めた。
『お前達の遭遇したバイドは・・・』
「・・・」
『・・・コードネームをコカビエルと言う』
「・・・コカビエル?」
その名を口にしたジークは固まった。
『そう。第一接触禁忌バイド、コカビエル。それが、やつの名だ』
第一接触禁忌バイドとはその名の通り極力接触を避けるべきバイドだ。
その理由は様々だが、一番の理由は危険という理由だ。
これはなんの比喩でもなく、紛れもない真実だ。
《それ》はほんの気まぐれで街を破壊したという。
また、《それ》はいくつもの山が連なるほど大きかったという。
《それ》は死なないのだという。
第一接触禁忌バイドに立ち向かうなど竜巻に身一つで向きを変えようというのとなんら変わりはない。
そんな事をするのは物語の主人公か馬鹿か自殺願望者だけだ。
改めて今ジークは自分の立ち向かおうとしているのがどんな相手か。
自分が今どんな道化か想像するのは容易かった。
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