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それでも、ジークは。
俺はやる必要がある。
何が起こったかも判らず死んでいった同胞のため。
只なす術さえなく、只虐殺されていった仲間のため。
『復讐するつもりか?』
ふいにコマンダンテが聞いてきた。
「当たり前です!俺はリック。レオ。アーサーの無念をはらす義務があります!!」
コマンダンテは只静かに問いてきた。
『ジーク。考えてみろ。リックが、レオが、アーサーが復讐を望んでいるとでも思っているのか?』
俺は静かに話した。
「たとえ、違うとしても。俺は、あいつらの意思を継ぐ必要がある!それが、残された者の。仲間の義務だ!!」
ジークはそう言った。
『・・・ふぅ。お前は変わらないな。そいつに名を付けてやれ』
そう言って、ジークの右腕を指した。
それなら、名は決まっている。
俺は右腕を光にかざすようにすると声の限り叫んだ。
「お前はバラキエルだ!断罪の堕天使、バラキエルだ。お前のその力で、俺の罪断ち切ってみろっ!!」
するとバラキエルは呼応するかのように明るく、光り輝いた。
第1章 白い地獄fin
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