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「ちょっと待って下さいよ」
そう言って肩を掴まれた。
掴んできたのはブラスだった。
「ブラス、命令だ。はなせ。」
するとブラスは黙ってヘリを降りていった。
「ブラス待て!命令だ!!俺が降り・・・」
「残業の件、任しましたよ。」
そう笑って降りていった。
「待て!何故だ!?何故お前が・・・お前はこのあと一年間の休暇があるはず・・・」
ブラスは只笑い。
「仲間を見殺しにして手に入れた休暇を楽しめますか?」
「だが、何故お前なんだ!」
ブラスは外側から黙って扉のロックをかけた。
「ブラス?おい!ブラス!!」
「隊長、・・・」
「と、飛び立ちます!何かに掴まっていて下さい!!」
ヘリの機動音で掻き消されたが確かにブラスは言った。
『家族を、仲間をお願いします』
と・・・
無情にもヘリは飛び立ち、列車にはブラス一人だった。
「ブラァァァス!」
声の限り叫んだが、この声は届かなかっただろう。
「くそおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
俺は床を殴り付けた。
俺は仲間を、助けれなかった。
アルマロスは生き残ったクルトアイズを嘲笑うかのように列車を一呑みにしていた。
第2章 大いなる絶望fin
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