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私ー高藤ひまりーははやる気持ちを抑えながらも高校からの帰路を駆け足で進み
何人かすれ違った人が訝しげな表情をこちらに向けるが関係ない、私にとって三次元(リアル)はもはや二の次、三の次なのだから
私の家は歩いて15分、駆け足なら10分程度で着く、今の私は一分、一秒も惜しいから駆け足で戻る
「ただいま!!」
「お帰りなさい・・晩御飯はいつもの時間にはできるからね」
「わかった!!」
もはや定例になりつつあるお母さんとの会話を聞き流しながら2階にある自分の部屋に入る
私の部屋は一般的な女子の部屋だと思う、ピンクを基調にした色合いの部屋にユニコーンなどの縫いぐるみ、まぁ、普通の女子の部屋に神話の本やライトノベルが多数あるとは思わない・・それに部屋に貼られている三つのポスターは異様だろう
一つは青空と雪山を遠くから撮ったようなポスター
一つはカラフルな髪の色を持つ何人もの人?(耳が尖んがっていたり、羊の様な角を持っていたり、体格がとても小さな人?)が一つの旗の下で笑って写っている集合写真
最後の一つは白銀の鎧を纏い身の丈以上の巨大な斧を持つ白銀の髪を持つ女性が口から火を漏らす赤い鱗を持つ巨大なドラゴンへと切り掛かるところが撮られている
私にとってこの三枚の写真は何にも勝る宝になる
これは私が過ごした証
もう一つの世界で生きた証
私はすぐに制服を部屋着に着替えてベッドに横になり・・ベッドの上にあるコードのついた分厚い目元まで覆うようなヘルメットを被る
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