プロローグ~アカシックレコード・オンライン

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ベッドから立ち上がればつけている白銀の鎧がこすれて小さな金属音を漏らす この白銀の鎧一式は戦乙女専用の防具で、戦乙女に転職した先着9名だけが貰えたかなり希少価値が高いもの ゆっくりと深呼吸すれば部屋の扉を開けるその瞬間階下から騒いでるような声が聞こえる、大抵のギルドホームは一階が酒場、二階以上がギルドメンバーがすぐにログアウトとアイテムを預けることが出来る部屋になっている 因みに『ARO』内では未成年でもアルコールが摂取出来る・・といっても実際に摂取してるわけじゃないから体に影響はない ギルドメンバーの一人は『酒を飲んでも酔わないんだからここは天国だな!!』と叫んでいた さて、降りるか 私が所属しているギルドの名前は『オーディンの使徒』、最初はギルドマスターと副ギルドマスターの私の二人だったがいつの間にか、500人を超える大所帯のギルドになってしまった、今では六大ギルドの一つとして数えられてるし 因みにギルド名は北欧寄りで、スキルやロールプレイも北欧で固めてる人が多いが、それ以外の日本神話系や中華系の人達も沢山いる 私が二階から降りてくれば現実ではまだ夕暮れになったばかりだというのに宴会してるギルドメンバーがこっちを見てくる 「あっ!!ヒルデの姐さん!!チィース!!」 『チィース!!』 「姐さんはやめてっていつも言ってるでしょうが・・」 「まぁ、まぁ、姐さんも一杯どうすか?」 「遠慮しとくわ」 「そんなこと言わずに、ほら、一杯!!」 私に執拗に酒を勧めて来るのは人間種の黒髪で生産職キャラである『ウォッカ』さん、この世界で自分だけの最高の酒を作るために日夜スキルに磨きをかけている・・ぶっちゃけていうと暇人だ 因みに戦闘系スキルの上げてない人はパーティーに入れて経験値を稼がせてもらうか、微々たる経験値を生産によって得るしかない 『ウォッカ』さんは珍しい人で生産だけで六回も転生をした人だ・・パーティーに入れて貰ってたら多分十回転生できたであろう人だ
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