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なるかもしんないけどさ。
とは口に出さず、あたしは携帯を耳からソッと離した。
熱を持った携帯は、あたしの心境をリアルに再現してるようで、体全体がとんでもなく痒い。
「友達付き合いも勉強に悪影響よ。
ましてや彼氏なんかダメ。勉強に手がつかなくなるから。でしょ?
彼氏は大学生になったら作りなさい。
いい?知恵」
「……はい」
蛇に睨まれた蛙。
我が家はお金持ちとか、しきたりがあるとか、そういう訳じゃない。
普通の家庭。
『南、急に電話切っちゃってゴメン…。
多分明日行けると思うから、時間と場所教えてもらえる?』
お母さんが洗面所を出た後、あたしは南に催促のメールを送った。
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