キューピッド

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3階から1階へ階段を使い、体育館の入り口にぞろぞろと列が入る。 クラスごとに並ぶ。 つったってすぐに並べないのが学生。 「ねーねー知恵ー、今日私寝癖最悪じゃない?」 「でもない」 あたしと南は並んだ後、周りが静かになるまでの時間をトークタイムにあてる。 朝会のメリットといえば、友達と有意義に喋るこの楽しみ。 「うそ、全体ひどいよ、どうしよう知恵ー」 しきりなく前髪を気にする南。 全くをもって、前髪一センチでこうも一喜一憂できる女子のパワフル度。 小1から髪長いから前髪の経験がなく、1日前髪が決まらない憂鬱をあたしは知らない。
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