始動

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「ちょっと!起きなさいよ!」 「…ん?」 葵の声で目が覚めた。どうやら、俺はいつの間にか居眠りをしていたらしい。 「おい、新田。早く答えろ」 担任が少し機嫌の悪そうな声でそう言った。しかし、全く状況が飲み込めていない俺はただ呆然とするしかなかった。 「√3+2π」 隣の席の葵が、そう囁いた。とりあえず俺は小さな声でその数字を言ってみた。 「そうだ。やればできるじゃないか、新田」 担任は今度は嬉しそうに言った。 なんとかごまかせたようだ。
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