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スーザン・イグニス副校長と共に……。
「…………」
飛び込んで来たイーグル達を横目に捕らえたイグニス副校長は、穢らわしい者を見るように眉を顰める。
「……不躾にも程があります。門限破りに器物損壊。今回ばかりは懲罰は免れませんよ」
「好きにすれば?大人しく従わなきゃいけない理由は、もう無いみたいだし」
イグニスの言葉に、イーグルは俯いたまま動かないマグダレーンを見据えて吐き捨てる。
ルイの大剣が一秒にも満たない間に、マグダレーンの首筋に添えられた。
「何をしているのです!」
「おっと……動かないでね」
気色ばむイグニスの前に槍を翳したイーグルが、彼女の動きを牽制する中、ルイは低い声で尋ねた。
「セレスは……どこ?」
前髪の間から覗くルイの瞳は見開かれ、本気の殺意が充満している。
ビリビリと張り詰めた空気に、イグニスは怒りに顔色を失い、わなわなと唇を震わせた。
だが、きつくイーグルを睨んだイグニスは、歪んだ笑みを刻み込む。
「居場所を知ったところで、貴方達には手出し出来ませんよ。身の程を知りなさい」
「身の程を知るのは、貴方がたの方ですよ」
侮蔑に満ちた口調で言い放つイグニスに、そう切り返す涼やかな声。
光と共に現れたのは、厳しい面持ちをしたグランシアだった。
教員として潜入して来たグランシアが、この場所に突然現れても、イグニスの表情から驚きのようなものは感じられない。
グランシアの立てた仮説が、真実へと傾く。
視線だけを動かしグランシアを見たイグニスは、無意識のように吐息だけで呟いた。
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