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けれど……今夜は、ワルプルギスの夜。
ルイが把握していない力を、シュトラールが発動したとしても何ら不思議はなかった。
そして、ダンケルハイトも。
気のせいか、近年ダンケルハイトやシュトラールは、力を付け始めているように思えた。
それも、限られた存在だけ。
ダンケルハイトならばルードヴィッヒ。シュトラールなら……プラチナではなくセルベス。
何故かは知らないが、酷く嫌な予感がした。
「おい!いつまで無視を決め込んでいるつもりだ!?」
「……ねぇ」
扉を殴り付けながら掠れた声を絞り出すプラチナに、ルイは漸く反応らしい反応を示した。
「どれだけ騒いでも、無駄……。貴方達を……どうするかは、機関が……決める」
「ふざけるな!私にはやらなければならない事がある!!化け物共の要求など、私が飲むと思っているのか!?」
ちゃんちゃら可笑しいと言わんばかりに嘲、蔑むプラチナに、ルイは何となくだが思ったままを口にした。
「貴方達に、利用価値は……ない。機関は、皇族だろうと……シュトラールの血なんか、必要としないはず……だから」
「っ……無礼者が!利用などされて堪るものか!!用がないと言うのであれば、さっさとここから出せ!」
ルイの淡々とした見解に、彼女は更に激昂したようだった。
「それは、無理。機関が、決める事……。そして、貴方達は……セレスが、シビルだと知ってしまった。セレスを狙うなら……許さない」
「黙れ!木偶人形ごときが……!!ダンケルハイトを根絶やしにし、エーネゲルスの頂点に立つのはシュトラールだ!それこそが、兄上の悲願!!」
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