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そして、思考するのを放棄してから約三時間。
私は森の中を当てもなく歩き続けていました←
いや、本当は動かない方が良いと思ったんだけどね?
ちょうど手元に携帯があったものだから、電波が届けば助けを呼べると思って……。
結果的に更に迷って、打つ手がなくなったわけだけどね!
とりあえずこのまま彷徨っているわけにもいかないので、適当な場所(ちょうど見つけた切り株)に腰を落ち着けようと思います。
……というか、歩き続けてたせいか、お腹が空いた。
誰か私に食料を恵んでおくれ。
たけのこあるけど、流石に生のままじゃ食べたくないよ……。
座ったまま、空腹にうなだれてそんなことをつらつら考えていると、視界の端で“何か”が動いた気がした。
顔を上げてそちらを見てみると、動物の影。
あれは……狐?
そう思った瞬間に、その影は顔をこちらへ向けた。
そして――
私の意識はブラックアウトした。
最後に見えたのは、暗闇の中で、金色に妖しく輝く二つの瞳だった。
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