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俺は少しずつ村の中央へと向かった。
視界が悪いのでたどり着けるかは分からないが・・・。
最悪の事態を考えると、放って逃げたりは出来ない。
まぁ、足元に野菜が散らばっているあたり、何かが起こっているはずだ。
俺で勝てるのだろうか・・・。
更に探索していると前方の建物から物音がした。
すると、まるで計ったように月がその場所を照らした。
俺の前方には倉庫があったのだ。壁は壊され、荷物がこぼれだしている。
「ア゛ァ?眩しいなクソッ」
その中に、ゴブリンがいた。
体長は1メートルほど。
バランスの悪い顔や体のパーツと、コケ色の体色が恐ろしく気味悪い。
腰にはナイフ。
バイキングのようなヘルム。
胸囲を守るアーマー。
腰から下は鉄板を縫い合わせたような防具。
どう考えても俺は不利だ。
この瞬間から、俺の足は役立たずとなっていた。
俺はこの場において恐怖で固まってしまったのだ。
思えば相手にしたのは猪のみ。
しかもまぐれと奇襲で倒しただけ・・・まともな戦闘は初めてだった。
俺の頭の中はある言葉で
埋め尽くされた。
カテルワケガナイ
オレニハムリダ
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