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俺は立ち上がり、重い剣を引きずりながら歩き出した。
刃こぼれが気になるので、腹の部分を下にし草の上を歩く。
なるべく、木の影に身を隠しながら進む。先制できないと俺に勝ち目はない。
「定壁は無事かなぁ・・・」
しばらく進むと、猪を発見した。3メートルほど先でキノコを食べている。
俺はゆっくり背後に近付く・・・すると、猪の頭上に何かが見えた。
緑の棒と、文字だ。
おそらく体力バーとこいつの名前だろう。
「ワイルドボアー?」
俺は力一杯に剣を振った。
そして、その剣は地面に傷を入れながら猪の太ももを断ち切る。
「そのままじゃないか」
すると、猪は力一杯叫びながら倒れた。
同時に、体力バーが右から黒く染まっていく。
途中に黄色、赤と色を変えつつ、体力バーは完全に黒く染まった後消滅した。
ほぼ同時に猪も光の粒となって消滅した。
跡にはメダルが落ちている。
このタイミングで、経験値が加算されたはずだ。
「この剣強いな・・・」
思えば、この剣の事を全く知らない。せめてatkだけでも知りたいな。
「確か・・・昔やったゲームでは、アイテムを指でタップするんだったな…」
俺は試しに指で軽く叩いた。
すると、剣のすぐ上にウィンドウが表示された。
『ライジングサン錆
atk +30
spd -25
必要atk 30 』
「なるほど・・・」
これでアイテムの詳細が分かるようになったな。
だがしかし、俺は肝心な事を忘れてしまっていた。
俺自身のステータスを知らないということだ。
大体、メニューの出し方を知らないことに問題がある。
アイテムは手持ちしかできず、よくよく考えれば装備もできないではないか。
装備できるかどうかすら・・・。
「戦う前にやっとかないとな」
俺はその場で座り込み、いろいろ試すことにした。
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