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「なっ何だよ!誰にも言わないからいいだろ?」
数分の格闘の末、ようやく少年は止まってくれた。
「いや、今口止めはいいんだ」
「ならいいじゃないか、早く村で言いふらしたいんだ!」
「喋っちゃダメだ!」
少年は身長142センチくらいだろうか、青髪で瞳も同じく青。
かなり元気な少年だな・・・。
「さっき口止めはいいって」
「確かに言ったけども、後でするって意味だ」
「ちぇっ、
じゃ何で止めたんだよ」
くっ・・・なんて子供だ。さすがの俺も苛立ちを覚えた。
しかし、だからといって怒る訳にはいかない。
少年の腰には短剣が見えた。
色々教えてもらいたい。
「少年、実はな」
「モロンだよ」
「あぁ・・・モロン。実はな・・・」
俺としては聞きたくないのだが、ここで意地を張るわけにはいかない。
「俺は、きっ・・・記憶喪失だ」
だが、プライドは守らせていただこう。
「記憶喪失?」
モロンは訝しげな表情をしているが、今は押し通させていただく。
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