ミトン村

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ほどなく、森を抜けることができた。 可能なら戦闘して経験値を稼いでおきたかったが・・・子供を危険にさらすよりマシだと諦めた。 森から先は平原となっていた。そう遠くない位置には山が見える。 そして、道があった。 何度も歩く内に自然と出来たのだろう。整備された様子はなくデコボコだ。 「よし、行こうか」 「・・・」 俺はようやく人里に来れた事がうれしかったので、早く村に行きたいと思っていたのだ。 しかし、モロンは山を見つめたまま動こうとしない。 「・・・どうした?」 「変なんだよ・・・」 俺はモロンの横に並び、同じように山を見つめてみた。 辺りは暗くなっており、ふもとの方はよく見えない。 「この時間にはとっくに灯りがついてるはずなのに・・・」 よく目を凝らすと、正面に見える山のふもとに何かの影が見える。 「・・・急ごう」 「でも・・・」 モロンはかすかに震えていた。やはり昔に何かあったのだろう。 「じゃ、村の手前で隠れてろ」 俺は装備もできない剣を引きずりながら、村に向かって歩き出した。 「にっ、兄さん!」 「止めるなよ・・・正直怖いから」 村までは約200メートル程、急げばすぐに着けるはず。
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