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これ以上何も見つからないなら元の場所に戻しておくつもりだ。
何も起きないならそれでいい。
「まっいいか」
俺は古書を手に取り表紙を見た。
相変わらず表紙には何も書いてはいない。
だがしかし、一つ妙なものを見た。
「・・・定壁、何かこぼした?」
「え?」
「ここ、黒いしみが・・・」
先ほどまで無地だった場所に黒い点のようなものができている。
それはかすかに伸びているような気がして、気付けば題名へと変貌していた。
まるで最初からそこにあったかのように古めかしいその文字は、
妙に存在感を放ち目をくぎ付けにする。
「chorus of battle?」
それを定壁が読み上げる、と同時に俺は古書を開いていた。
初めは俺たち二人の名前が記してあったはずだが、今目の前には別の文章がそこに書かれていた。
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