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「うそだろ」
門番に頼んで中に入ると、見渡す限り木、木、木──。何処までも森が続いていた。
はぁー、一体全体どうなってんだ。
もう学校でも何でもねーよ。
さっき門番に聞いたところ、迎えの人が来るらしいのだが……、一向に来る気配がない。
どうすれば…。
「あ、君。今、迎えの者から連絡があったんだが、あと30分ほど遅れるらしい」
「えっ!」
そんな…。
ホント、どうすればいいんだよ…。
待ってるだけっていうのもなー。
しょうがない、自力で行くか!
道ぐらいわかるだろうし、途中で迎えの人に合流すれば一石二鳥だし。
「あの!俺、自分で行きますんで、もし、迎えの人が来ちゃったら、すみませんとお伝えください」
それだけ言うと、俺は、森の中へ入っていった。
後ろの方で、門番の声が聞こえた気がした。
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