第一章 ~ お好実焼きパーティー ~

13/20
前へ
/286ページ
次へ
  「ところで大事な話って何だったんだよ。教えろよ」  真っ黒な毛並みのガラス狼は、黙っていればイケメンなのに人のプライバシーを平気で踏みにじる。 「だから嫌われるんにゃ」 「ん? なんか言ったか?」 「別に、何も」  つ~んとして私も一階に降りていった。  あれ? そういえば扉の鍵閉めたのに……。  振り返るとかみ砕かれた痕があった。  ジャックの仕業ね。全く野蛮なんだから。  私はそのまま一階へと降りていった。 「遅いよ、ピックル。ミドルさんに火をつけてもらったわよ」  ミルトがバーベキュー台の網の上に好実を乗せながら言った。 「ごめんにゃ」  私がいれば炎の魔法ですぐだったのに。 「な~に、マッチを持ってたから簡単さ」  キラキラ輝きながらにっこりとほほえむミドル兄さん。  私の胸はきゅ~んと締め付けられた。
/286ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加