第一章 ~ お好実焼きパーティー ~

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   私はタンクトップに下着姿という無防備状態。  思わず毛を逆立てて臨戦状態。 「にゃんどいったらわかるにゃ。窓から入ってくるにゃ」  ジャックに向かって肉球アッパーをかませた。  ドカッといい音がしてジャックは地に落ちた。 「まったく、レディの身だしなみをなんだと思ってるのよ」  プンプンと頭から湯気を出しながら、クローゼットをのぞく。 「今日は何を着ようかな」 「これなんかどうだい?」  差し出されたのは肩で結ぶタイプのブルーのシースルーに青と赤のチェック柄ミニスカート。 「そうねえ」  悪くはないわね……って、そこに立っていたのはミドル兄さん。  実の兄ではないけど近所のお兄さんだ。  ミドル兄さんは珍しい純血の人間。  整った顔立ちは村でも人気の的だ。  もちろん私の初恋の人でもある。
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