春川 桜

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とりあえずここは、僕から話を展開させる必要がありそうだ。 もしかして天然なのか? そうでないことを祈りたい。 「今の説明だけだと分からないから、具体的に話してもらっていいかな」 と、柔らかい言い方で僕は説明を促してみる。 さすがに春川さんも気付いたようで、慌てて言い直す。 「あっ、すいません!そうですよね。今のでは坂本さんも、協力される上でいろいろと不安なのは当たり前ですよね。」 「うん。・・・・・・うん? えっと、もう僕は協力すること前提で話してるの?」 「え、違うんですか?」 僕が春川さんの申し出に承諾するという過程が、なぜか無視されている。 やばいな。本当に天然かもしれない。 確認するのは怖いが、聞いてみるか。 「もしかして春川さんって、天然だったりする?」 春川さんは瞬間 キョトンとした顔をして 「まさか、そんな訳ないですよ」と笑いながら一蹴した。
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