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幼なじみの夏目星夏(なつめせな)だ。
「アンタも花咲高校だったんだ」
「まあな。ってか、知らなかったのかよ」意外に薄情な奴だな。僕は一応星夏も同じ高校なのは小耳に挟んで知っていたのに。
「まっ、興味ないからね。じゃアタシ先行くから」
呆気なく星夏は一人で歩きだしていった。まるで絶対に一緒には行かない、とでも言うように。
僕の方としても二人で並んで登校するのは勘弁なのだが、少し寂しい気がしないでもない。
そう思いつつも、星夏が視界からいなくなるのを見送ってから歩き始めた。
校門をくぐり敷地内に入ると、ふと目の前の視線に気づいた。
一人の少女がこちらを見つめている。
最初は僕ではない何かを見ているのかと思ったが、近づくにつれその目は僕を捉えているのがわかった。
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