春川 桜

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校庭で僕を見つめていた少女が、一人で席にポツンと座っていた僕の前を通って行った。 先ほどと違い、今度は目を合わせてくることはなかった。 やはり勘違いだったのだろうか。意味もなく知らない男を凝視する理由なんて ない。 逆を言うと、理由があれば凝視してもおかしくない。 知らない男の顔を凝視する理由で思い付くことと言えば・・・・・・ 僕は走ってトイレに駆け込み、自分の顔を確認した。 よかった・・・・・・ 幸い僕の顔にうんこは付いてなかった。 やっぱり気のせいだったのかな。 その後は滞りなく入学式も済ませ、担任教師やクラス皆の自己紹介などを教室で行い、諸々今後の説明を聞いて最初の 授業が終了した。
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