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『ハルっ。お医者さんが来てくれたわよ。
いろいろお話してくれるって。』と、高い声で呑気に言った母は、私のベッドの近くの椅子腰掛ける。
母の後を追うようにして入ってきた男が、私の枕元まで来て立ち止まった。
『ちょっと待ってね。』
と 言って、どこかに行ったかと思うと、ガタっゴトっと、なにやら暴れる音がする。落ち着いたかと思うと彼の右手にはパイプ椅子があったため、椅子を探していたのだとわかる。
すかさず、『やだもうっ先生ったらっ。もっと静かに動けないんですか?』と、笑う母。
それに対し、『すみません。ハルちゃんの前ではクールに決めようと思ったんですけど。裏目に出てしまいました。』クスッと下を向いて笑ったかと思うと、今度は私の目をじっと見つめて、『ハルちゃんの担当医の川村水樹です。』と言った。
私がなにも反応しないからか、それからしばらく彼は一人で話続けた。
『僕のことは、水樹センセって呼んでよっ。堅苦しいの、好きじゃないんだ。』
『何歳に見える?僕ね今、26なの。』
『以外にモテるんだよ?まぁ、今付き合ってる人はいないけど。ハルちゃんさ、僕と付き合っちゃう?!可愛いから全然許容範囲だよ!10才もはなれてないしね!』
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