《《未定》》

5/12
前へ
/23ページ
次へ
綺麗な顔、高い背丈、透明な肌、低すぎない優しい声。完璧なものを持ち合わせておきながら、彼が発するのは、陽気な言葉。 近付き難いという印象はなく、不思議な人だなとだけ感じた。 しかし、そこに流れていた穏やかな時間は『お母さん。ハルちゃんと2人になりたいんですけど。』という穏やかな時間を作っていた張本人によって壊されてしまった。 なにも言わずに出て行く母をみて、打ち合わせでもしていたのかとぼーっとした頭の隅で考える。 『ハルちゃん。』 優しく問いかけられ水樹先生へと目を向ける。 『これからいうこと、驚かないで聞いて欲しいんだ。』 と、真剣な眼差しで言われ、私は、その目をただただ見つめ返す。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加