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目を覚ますと、白い天井。
『わかる?』と、涙を貯めて繰り返す母の声。
ーーーおかしい。私は高校3年生の8月、あの車にひかれて死んだはずだ。
ーーー夢?
ーーー天国ってこんなんなの?
ーーー私なんかが、天国にいけるの?
目を開けてから、数秒でいくつもの考えが浮かんでは消え、浮かんでは、消えた。
混乱した頭で、恐る恐る、左手を自分の頬に伸ばし、つねる。
『・・・いたい。』
私が、目覚めて初めて出した声は、生きていることに気づき絶望する声だった。
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