《《未定》》

3/12
前へ
/23ページ
次へ
あれから、またねむってしまっていたらしい。目を覚ますと外は明るく、朝になっていた。 それから慌ただしく、いくつもの検査を受け、落ち着いたのは17時を過ぎる頃だった。 やることがなくなると、頭に浮かんでくるのは、あの、車の前での光景。 自ら命を手放した瞬間。 しかし、私は今日、『山川 ハル さん』と自分の名前を何度も医者や看護師に呼ばれることで、やはり生きているんだと認めるしかない状況に陥ってしまった。 私は、まだ、生きている。 もう二度と開ける予定のなかったまぶたは開き、私の目は病室の白い天井をひたすらうつしている。 頭がどうにかなりそうだ。 皮肉にも、考えるのが疲れたと言うのが自殺の動機の一つであるというのに、今現在、自殺、まだ生きているから自殺未遂か。をしたことが、考える機会を増やすことになってしまっている。 『はぁ』 ため息。今日初めて発するのがため息かとクスッと笑う。 そのとき、病室の扉が開いた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加