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彼女の通っている高校は自宅から電車で二時間近くかかる。
冬は日が出る前に家を出ることも少なくなく、その為か、帰りの電車では夢の中へ迷い込む事が多かった。
幸い、その長距離移動ではほとんど座れていたので、この時間を彼女は体力回復に充てていた。
しかし、ある日を境に彼女は眠る事をやめた。
やめざるを得なかった、とも言える。
その問題の日の出来事は非常に奇妙不可解である。
出来る事ならばもう金輪際体験したくない、と彼女は苦笑いをしていた。
聞いている分には面白かったのだが。
さて、今回はそんな彼女の不思議体験を纏めるため、筆を取る。
未だに半信半疑なのは白状しよう。
題名をつけるとしたら「うたた寝急行」だろうか。
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