うたたね急行

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 帰り道でのこと。  彼女はいつものように都心からの始発電車に腰掛けていた。その日は部活も無く、少し早い時間帯であった。 なので彼女以外に電車に乗っている人は数える程しかいなかった。  別段普段と変わり無く、いつものように鞄を膝に置いて目をつぶっていた。  横浜を過ぎた辺りまでは覚えているらしい。  がらんとした車内に夕焼けが差し込み、眩しくて寝づらかったと彼女は話す。  目をつぶっていても、まぶたに赤い光がずっと当たっていた。  この日の出来事を語るに当たって彼女は、目をつぶっているだけにしてたら良かった、とぼやいていた。  睡魔が親友などとほざいていた事もある彼女からの発言とは思えない。
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