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1年・春学期
※この物語はフィクションです。登場する人物、大学、医療体制は実在するものと似ているようで全く異なるかもしれませんのでご了承ください。
(あーぁ、本当に何で受かんないのかね。受験って厳しいわ。)
そんなことを考えながら、家の中からそれを見上げる。
雲一つない真っ青な空だ。俺の心の中もこんな風になればいいのだが…。
(二浪は嫌だな、流石に。)
現在浪人生の俺こと雪名 義博(ゆきな よしひろ)は、色々な意味で崖っぷちの危機に陥っていた。
…まぁそれもそのはず、浪人してからは大してろくな勉強もしていないからだ。
予備校に入ったものの、予備校以外の時間は漫画とゲームに費やす日々。
ある種バラ色の浪人生活を送ってきたが、ま、これじゃあ受かるわけもない。
浪人すれば何とかなる、とか安易な考えで浪人するとこうなるのかもしれないな。
…確かに偏差値自体は60→70に上がったのだが、偏差値が全てじゃないってことだ。
「受験生の皆、受験を甘くみるなよ!俺みたいになっちゃうぜ!!」
…と、声を張り上げ力説してはみたものの、俺は誰に向かって喋っているんだ?
あぁそうだ、弟も今年から受験生になるんだった。じゃあ弟に向けて言ったんだな。そうに違いない。
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