始まり

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晶の優しさ? 好きで付き合った3年。 縋られもせず、 突き放されもせず、 「いいよ。」の三文字。 モヤモヤするけど、深く考えずに行こう…っと。 「こっちこそ、楽しかったです。晶との3年間。ありがとう。」 楽しかった事を思い出すと、別れ難くなる。 でも、このままズルズルは、未来がない。 25歳にして、未来の見えない相手との時間は、勿体ない。 涙すら出ないです。 ある意味、ゴメンなさい…。 何か、余計な事を言いそうになる自分が怖くて、席を立ちました。 「じゃあさ、帰るね。荷物とか、送るから。」 晶は、怒って居るわけでも無く、笑って居るわけでも無く、ボーッとしています。 「大丈夫?」 顔を覗き込むと、ボーッとした視線が、返ってきました。 ??? 「やけにアッサリだけど、何で?」 「アッサリ?」 泣いて欲しいのでしょうか? もう、会うの今日でお終いにしない?と言う私の言葉に、いいよ。と三文字返され、帰る私。 ちゃんとありがとうも伝えたし、荷物もどうするか決めたし、大丈夫だと思うのですが…。 「いざ、コレで終りって思うと、ちょっと名残惜しいような…。」 未練じゃなくて、情ですか? 「良かった、三文字だけじゃなくて。」 「三文字?」 「うん、【いいよ】の三文字だけで終るんだな~って思ったら、ちょっと何か複雑な気分だったから。」 「ごめん、何か上手く言えなくて…。」 晶が、そのまま黙るので、 私は、バイバイと小さく言ってお店を出ました。
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