気付かない振り

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505号室のポストは・・・。 現在、まったく知らない他人の財布を握り締め、入った事のないマンションで、ポストを捜索中です。 ちなみに、現在、夜の9時前。 正直、お腹が空いてきました。 いえ、かなりの空腹状態。 このマンション、11階建てです。 デカイよ!! どんだけ部屋があるんでしょうか?! ポストも、お洒落に作られ過ぎていて、入れ口が上なのか下なのか分かりにくい。 これ、間違って違う部屋番号の人のとこに入れたら・・・。 おっちょこちょいな私には、ありがちなミスかもしれません。 空腹と、イライラと、不審者と間違われないか?の焦り。 さらには、方向音痴も手伝ってか否か、ポスト見つからず・・・。 どうするよ・・・どうするよ・・・。 そこに、マンションの住人らしき方が!! 思いっきり、不信感満載の目つきで見つめられています・・・。 聞くか? やり過ごすか? このままここに居ても、解決はしそうにないので・・・。 「あの、505室のポストってどれでしょうか?」 「・・・ああ、それは、こっち。」 少し妙な間があって、答えてくれるスーツメガネのサラリーマンさん。 ご丁寧意に、しかもあっさりと見つけられました。 「どうも、ありがとうございます。」 あまりに嬉しくて、業務用のお年寄り秒殺スマイルを披露してしまいました。 若い人には受けが悪いですけど・・・。 雪乃さん曰く、[胡散臭すぎる]との事。 スーツメガネのサラリーマンさん、コノ状況で、怪しい女が男物の財布を握り締め、胡散臭いスマイルにドン引きでしょうか? しかも、コノ財布の中身は、現金、免許、コン○-ム、その他ポイントカードなど・・・。 いや、中身まではご存知ではないですよね?
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