気付かない振り

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「・・・いえ、どういたしまして。」 スーツメガネのサラリーマンさん、ボソボソと呟くと出ていかれました。 あれ? 何か用が合って、来られたのではなかったのかな? 私のあまりの胡散臭さに、逃げて行かれましたか? ま…いいですけどっ!! じゃ、早速ポストに入れて、撤収するとしましょう。 ガツッ!! え・・・入らないってどうよ・・・。 少しかがんで、ポストの蓋を押してみると・・・。 「いっぱい・・・。」 このお財布、男物っていうだけあって、大きめです。 なんとかならないかと、グリグリお財布で押してみますが…入りません。 他人のポストを覗き込んで、怪しさ100%ですね・・・。 どうしたらいいのでしょうか? ポストを覗き込んでため息をついていると・・・。 突然、ポストの中が明るくなりました。 おや?? 次に、向こう側に、二つの目が見えました。 あの…、どちら様?? 「…ストーカー??」 二つの目が、疑いの言葉を発します。 いやいや、私は、それはそれは親切な赤の他人ですが・・・。 でも、コノ状況では言い逃れしにくいというか・・・。
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