第一章 能力

2/2
前へ
/8ページ
次へ
 この世界は不思議で満ちている。人が変な能力もってたり、国がひとつしかなかったり。  ありえない。  考えられない。  そんなことはだいたい「能力だろう」。そのひと言ですまされる世界、アトランタ。  いつから使えたのか、誰から使えたのか、どうやって使えたのか。  誰も知らない。  何も知らない。知ろうとしない。でも、だからこそ、興味深い。  僕の推測では、能力を使えるのは何か意味があるからだと考える。  一般的な能力である火を発現させる能力。大抵の人は利き手じゃない手のひらから少し離れた場所に出る。他にも、人の手で触れられない物、電気や毒なども同様だ。この時、発現する形状が球体のため、『スフィア』と呼ばれる。  逆に体に直接発現する能力。硬化や筋力増強など、肉体を強化する能力。見た目に変化がないため、『ブラインド』と呼ばれる。  この二種類が一般的に『普通』とされる能力。  僕のように特殊な能力は分類名もなくただ自分がそう決めるだけ。  嗚呼、いつか僕の能力にも分類される時が来るのだろうか。僕の生きている間に……。 ライズ・ベルト補習作文より。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加