授業

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 涼しい風が窓から廊下に吹き抜ける今日最初の授業。寒い時期からまだぬけきれていない今日はまだ肌寒く、長い袖の物を着ている生徒が多い。僕もその一人だ。 「ライズ・ベルト君。外を見ているなんて、よほど算術が得意なんですね。あの問題を解いてください」  気づかないうちに、教師が横に立っていたようだ。視線を前方、黒い板に、白い石を砕き魔法で固めた物で書かれた式を見る。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー   12 × 12 = ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  書かれた式は一般的に見れば難しいものだが、この教師は僕のことを知らないらしい。知ってたらこんな問題出さないだろうし。 「答えは144です」 「チッ、正解です」  顔は整っているにのに性格が悪そうな教師は前に戻っていった。性格をなんとかしたら人気が出そうだ。  その後は特に何もなかった。強いて言えば、さっきの教師がたびたび睨み付けてきたぐらいだ。
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