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テラは目を丸くして、驚いているようだ。
「恥ずかしいのか?」
「その発想はなかった」
「ついたよ二人とも」
どうやら第三訓練場についたらしい。これから僕のもっとも嫌いな授業が始まると思うと、憂鬱(ゆううつ)になる。
「なあライ」
授業が始まるというのに、まだ喋ろうと言うのかこいつは。
「今日の授業、俺とやろうぜ?」
そういえばテラとは一年から一緒だが、一回も戦ったことがない。いつもスフィア系の生徒とばかりやっていたのだが、たまにはブラインド系の生徒ともやらなければ教師から叱責をうけるかもしれないし、いい機会だろう。
「いいよ。最後の方にやろう」
僕の返事に満足したのか、それから話しかけてくることはなくなった。
「今回の授業は前々から通知していた一対一の模擬戦を行う。格々対戦相手を決め、俺に報告しろ。報告順に模擬戦を始める」
担当教師が離れると、生徒は散り散りに相手を探しだした。いや、一人だけ動いてない。ボッチか?
「レイン、あそこにいるのって誰?」
「え? ……誰もいないじゃない」
ボッチがいた方向を見ると、確かにいなくなっていた。
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