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「……日焼け止め塗っておいて正解だったな」
その証拠とばかりに、露出した腕を見ると、常人より白い(らしい)肌の色が少し赤みがかっていた。かなりきつめの日焼け止めを塗っておいたはずなのにこれだ。以前日焼け止めを塗らず小一時間ほど外に出ただけで、その夜に高熱で寝込んだことがあるけど、あれはもう御免被りたい。
自分の体が人よりも病弱だということは理解しているつもりだけど、どこまでがセーフでどこからがアウトなのかという線引きが未だに出来ていない。きっと奈菜や遥の方が僕以上に分かっている。だから二人とも僕のことを気にかけてくれるのだろうけど。
そんなことを考えている間にも太陽はその日差しを容赦なく僕に突き刺していた。とにかく今は日陰に入ることが先決だ。肌のことも問題だけど、このまま日に当たっていては日射病で倒れてしまいそうだ。本当に今日は体調が良くて助かった。これで体調が芳しくなかったら間違いなく倒れている。
……涼しくなるまでは出歩かずに家の中でごろごろしよう。
そうこれから数週間の過ごし方を決めて、数百メートル先に見えるバス停まで早足で向かった。
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