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「あれ、珱くん!?」
ちょっとびっくり。
「なんで驚くんだよ」
「いやだって・・・私がこの前来たとき後ろには坂本くんが座ってたから・・・」
「あ?そうなのか。でも今は俺の席だ」
何その言い方!
「そんなことよりも俺の質問に答えろよ」
「・・・私は生まれつきからだが弱くって、ほとんど学校には通えてないの。
昔なんかはすぐに発作を起こしてたから・・・。
今日はたまたま体調がいいから来れたけど、半日で帰ってくるようにって主治医に言われてるの」
「ふーん」
「へー、そうなんだー」
・・・ん?
「おーい、ここだよー」
声がした方を振り向く。
私のすぐ横の席に、声の主はいた。
「樹くん?
あれ、その席は明美ちゃんのじゃ」
「変わってもらったー」
へらりと笑いながら、自分が元いた席を指差す樹くん。
いつの間にか朝のHRは終わっていて、みんなはすぐに始まる授業の準備をしていた。
「あのさ、一時間目はなんの教科なの?
私知らないんだ」
「・・・・・・・・・なんだっけ」
覚えてないんかい。
「日本史だよー」
樹くんが答える。
朝の一発目から日本史って…
「眠くなりそう……」
「あはは、やめといた方がいいよ。
担任の先生めっちゃ怖いから☆」
星を飛ばしながらお茶目にいう樹くん。
飛ばして言う内容じゃなかったけどね。
「わたし教科書とか持ってないから、珱くん見せてくれない?」
「……おう」
「えー。席は僕の隣だから僕が見せればいいのにー」
「……あ、そっか」
「
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