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「・・・」
窓からさす光で、私は目を覚ます。
必要最低限の物しか置いていない簡素で大きい部屋。
それが私の部屋だった。
コンコン、
「おはよう遥ちゃん」
「優くん」
ノックとともに入ってきたのは、白衣をまとった青年。
彼の名前は前田優。
小さい頃からの幼なじみで、医者になってからは私の主治医をつとめている。
そう、私は生まれつきからだが弱い。
そのせいで、大好きな学校にはなかなか通えていない。
「どうだい調子は」
「ん、大丈夫。
ねえ優くん。今日は学校に行っても大丈夫?」
私が聞くと、優くんは少し考えるそぶりを見せて
「・・・うーん。半日までなら・・・いいかな」
「ホント!?」
「ただし!体調が少しでも悪くなったら必ず連絡すること!!」
びしっ!と私を指差して言う優くん。
私はベッドから降りると、真っ先にクローゼットへと走った。
「ちょっと遥ちゃん聞いてる!?」
「はいはーい、わかってます」
適当な返事を返しながら、制服に袖を通す。
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